瓦葺師の手で甦る暮らしの温もり
 
誰がやるかによって仕上がりが違うからこそ、この仕事は面白い
 
メインルーファー 久保健一
昭和33年 愛知県生まれ  愛知県東海市在住

入社のきっかけは、「当時友人がアルバイトをしてて、一緒にバイトをするうちに瓦の施工の魅力にとりつかれてしまった…」と語るのは現在メインルーファーとして年間数十ケ寺に及ぶ屋根施工を手掛ける久保健一(49歳)。瓦の施工に関しては当社随一というだけでなく、日本でも五本の指に数えられようかという実力の持ち主である。
メインルーファー 久保健一
そんな久保でも「修行を始めた頃は本当にきつかった」と語る。「親方の手元として真冬にドロ(屋根の葺き土)を持っていると、指先が痺れてきて、そのうち感覚が全くなくなってしまう。自分の手なのに全く感覚がなく全然言うことを聞かないようになってしまうんだ。」
それ程肉体的にも辛い仕事でも、「瓦を葺く魅力に比べたら何てことないだわね…」と語るその表情は、普段の厳しい表情とは打って変わり本当に楽しそうである。

「とにかく出来上がりの良さにこだわって(瓦の施工を)やっているね。先ず現場に行くと建物の全体を眺めて、葺きあがりをイメージしながら頭の中で瓦を葺いていく。これが出来るようにならないと本当に良い仕事はできない。例えば降り棟をどのくらいの曲率の線にするかまでは図面には書かれていないことが多い。だからこそ図面の設計意図を読み取り、屋根の仕上がりを頭に入れておく必要がある。瓦を葺いている内は手元しか見えないから、建物全体のイメージを持ってないと綺麗な線は出せない。だから(施工中にも)何度も下に降りては全体のイメージを確認していく。自分の思った通りの線が出たときは、やり遂げたという思いで本当に充実している。」

数十年の経験を持つ瓦葺き職人でも本当に綺麗な線を出すことが出来るのは、極限られた人間だけである。頭の中で葺きあがりのイメージを作り上げていく久保のセンスこそが、日本でも屈指の瓦葺き師としての実力の源である。

「(自分の手掛けた)全部の現場が思い入れのある現場。社寺の仕事だから難しいとは思わない。誰がやるかによって仕上がりが違うからこそ、この仕事は面白い。」
瓦葺きを天職として今日も社寺の施工に取組む久保の顔は自信に満ち溢れている。
 
隅棟 台のし施工中 切隅すり合わせ中 切隅取付中
隅棟 台のし施工中 切隅すり合わせ中 切隅取付中
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